年金受給者だけど働いている人が注意すべき「在職老齢年金」

仕事の収入の額が多いと年金が減らされたり、もらえなくなることもある

在職老齢年金

最近では65歳を過ぎても年金をもらいながら働いている人も多いですが、そんな人は注意が必要です。

仕事の収入の額が多いと年金が減らされたり、もらえなくなることもあるからです。

この制度を「在職老齢年金」を言います。

在職老齢年金とは簡単に言うと、一定の収入がある人は年金を減らしても大丈夫だろうという制度です。

高齢化の今、「65歳を過ぎても働きたい!」と思っている人は多いようです。

しかし、年金が減らされてしまうのは、それはそれで困ります。

だからこそ、「在職老齢年金」についてしっかりと理解してから働く必要があります。

「在職老齢年金」制度は年齢によって制度内容が少し変わります。


※必ずお読み下さい。

2010年3月18日の厚生労働省年金局年金課の発表によると、2010年度の在職老齢年金の支給停止基準額は「48万円」から「47万円」に改定されました。
下記の説明は今までの「48万円」で計算していますので、「47万円」で計算し直す必要があります。

参照:平成22年度の年金額、国民年金保険料、在職老齢年金の支給停止基準額等について(PDFファイルへのリンクです)

65歳以上の在職老齢年金制度

あなたが65歳以上なら、まず次の2点を頭に入れて下さい。

  1. 基礎年金は全額支給。

  2. 賃金(ボーナス込み月収)と厚生年金(報酬比例部分)の合計額が48万円を上回る場合には、賃金の増加2に対し、年金額(報酬比例部分)1を停止。

まず、基礎年金は全額支給されます。基礎年金とは国民年金に加入し、保険料納付期間と保険料免除期間が25年以上ある人が原則65歳から受給できる年金のことです。

問題は2番目ですが、仕事でもらえる給料と厚生年金(サラリーマンだった人がもらえる年金)の年金受給額の月の合計が48万円を超える場合は、年金額を減らされてしまいます。

たとえば、あなたが年金を月に10万円もらっているとします。そして、仕事の月給が38万円以下なら、月給と年金との合計額が48万円以下なので、年金は全額支給されます。

しかし、月給が38万円を超えると、月給と年金との合計額が48万円以上になるので、もらえる年金は減らされてしまいます。

減らされる年金額は、「賃金の増加:2」「年金額:1」で計算します。つまり、賃金の増加額の半分の額が年金から減らされるということです。

たとえば、あなたの年金受給額が10万円、仕事の月給が58万だとします。

年金受給額が10万円ということは、仕事の月給は38万円以下にしないと、もらえる年金は減らされる対象になります。

しかし、あなたの月給は58万円と38万円に比べて20万円ほど多いです。

つまり、「賃金の増加」が20万円ということです。

20万円の半分は10万円です。つまり、この場合、10万円が受け取れる年金から減らされてしまいます。

ということは、元々、あなたの年金受給額は10万円だったので、月給が58万円以上になると、年金は全額支給停止ということです。

表にすると次のようになります。

年金受給額が10万円の人の場合
月給 年金+月給 賃金の増加
(48万円以上)
年金が減らされる額
(賃金の増加÷2)
10万円 20万円 0円 0円
20万円 30万円 0円 0円
30万円 40万円 0円 0円
40万円 50万円 2万円 1万円
(年金受給額9万円)
50万円 60万円 12万円 6万円
(年金受給額4万円)
58万円 68万円 20万円 10万円
(年金受給額0円)

60〜64歳の在職老齢年金制度

あなたが年金の繰り上げをして60歳〜64歳で年金をもらっているなら、まず次の2点を頭に入れて下さい。

  1. 賃金(ボーナス込み月収)と年金の合計額が28万円を上回る場合は、賃金の増加2に対し、年金額1を停止。

  2. 賃金(ボーナス込み月収)が48万円を超える場合は、賃金が増加した分だけ年金を停止。

たとえば、あなたが年金を月に10万円もらっているとします。そして、仕事の月給が18万円以下なら、月給と年金との合計額が28万円以下なので、年金は全額支給されます。

しかし、月給が18万円を超えると、月給と年金との合計額が28万円以上になるので、もらえる年金は減らされてしまいます。

減らされる年金額は、「賃金の増加:2」「年金額:1」で計算します。つまり、賃金の増加額の半分の額が年金から減らされるということです。

表にすると次のようになります。

年金受給額が10万円の人の場合
月給 年金+月給 賃金の増加
(28万円以上)
年金が減らされる額
(賃金の増加÷2)
10万円 20万円 0円 0円
18万円 28万円 0円 0円
20万円 30万円 2万円 1万円
(年金受給額9万円)
30万円 40万円 12万円 6万円
(年金受給額4万円)
38万円 48万円 20万円 10万円
(年金受給額0円)

もう少し、もらえる年金額が高い場合を見ていきます。

たとえば、あなたが年金を月に27万円もらっているとします。

賃金(ボーナス込み月収)と年金の合計額が28万円を超えなければ、年金を減らされることはないので、仕事の月給が1万円以下なら年金は全額支給されます。

しかし、月給が1万円を超えると、月給と年金との合計額が28万円以上になるので、賃金の増加の半分の額が年金から減らされてしまいます。

たとえば、あなたの月給が48万円だとします。この場合、賃金(ボーナス込み月収)と年金の合計額は75万円です。つまり、28万円よりも47万円ほど上回っていますので、賃金の増加は47万円ということです。

47万円の半分は23万5000円。年金27万円から23万5000円を差し引いた3万5000円があなたがもらえる年金額になります。

そして、賃金(ボーナス込み月収)が48万円を超える場合は、賃金が増加した分だけ年金を減らされます。

たとえば、あなたの月給が51万5000円だとします。この場合、51万5000円から48万円を引いた3万5000円が賃金の増加となり、そのままその額が年金から減らされます。

つまり、月給が48万円の時の年金受給額が3万5000円だったので、そこから3万5000円が差し引かれ、年金は全額支給停止ということになります。

表にすると次のようになります。

年金受給額が27万円の人の場合
月給 年金+月給 賃金の増加
(28〜48万円)
賃金の増加
(48万円以上)
年金が減らされる額
1万円 28万円 0円 0円 0円
48万円 75万円 47万円 0円 23万5000円
(年金受給額3万5000円)
51万5000円 78万5000円 47万円 3万5000円 27万円
(年金受給額0万円)

今までサラリーマンとして働いてきたなら

もし、あなたが今までサラリーマンとして会社に勤めながら働いてきたなら、65歳以降は自営業者、公務員、パート、アルバイトなどとして働けば、年金が減らされることはありません。

というのも、サラリーマンは厚生年金ですが、自営業者、公務員、パート、アルバイトなどは国民年金で年金の種類が違うからです。

  
  
  
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