AIJ投資顧問が巨額損失を隠していた運用の仕組み

客からの解約の申し出があった場合には新しい客を誘い入れて対応

AIJ投資顧問の社長は野村證券の出身で業界ではヤリ手の営業マンとして知られていた浅川和彦。

浅川和彦社長自身が営業の先頭に立ち、顧客の勧誘に使っていた資料には「毎月利益を出し続け、年間8%を超える高い運用実績」をうたっていました。

端から見ると、高い収益を上げているかのように見えたAIJ投資顧問ですが、実はこの頃、巨額の損失を出していたことが証券取引等監視委員会の調べで分かっています。

浅川和彦社長は運用をまかされていた年金基金に対して、日経平均株価などに連動して上下するデリバティブ(金融派生商品)によって高い収益を上げていると説明していました。

しかし、実態は運用開始直後から損失を重ね、損失総額は2011年3月期で1092億円にも達していたということです。

特にリーマン・ショック後の損失額は巨額で、2010年3月までの1年間に約500億円もの損失を出していました。

このような状況にありながら、AIJ投資顧問はどのように巨額の損失を隠し、客を欺いてきたのか?

その方法は非常にシンプルです。

客からの解約の申し出があった場合には、新しい客を誘い入れて対応していたのです。

AIJ投資顧問が巨額損失を隠していた運用の仕組み

AIJ投資顧問は損失が発覚しないように、運用益を上乗せして資金を返還していました。

客から解約の申し出がある度に、新しい客の資金を返済に当て、運用益を上乗せして、まるで運用がうまく行っているように見せかけていたのです。

まさに自転車操業を続けていたのです。

証券取引等監視委員会には「AIJ投資顧問はあやしい」とこれまで4回にわたって通報が寄せられていました。

しかし、2012年1月までAIJ投資顧問に検査に入ることはありませんでした。

その背景には、証券取引等監視委員会がAIJ投資顧問のような年金を運用する投資運用会社の検査を重視はしてこなかったという事情があります。

証券取引等監視委員会は個人の投資家を相手にする証券会社などの検査を優先していたのです。

中小企業が作った年金基金がAIJ投資顧問のターゲットなった理由に続く

  
  
  
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